序*寂しさの狭間に…

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 「きょーちゃん」 義弟の郁汰(いくた)は、甘えた声で言う。 「すぅきぃ♥」 私は郁の頭をなでるが、心は何処か寂しい空虚な風に吹かれていた。  あの中は、とても温かで、心地良かった。…けど何処か寂しさを覚えた。 「…散歩、してくる。」 そうつげて、気遣う兄や母を落ち着かせて、花の咲く丘の上まで来た。
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