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中宮健吾(なかみやけんご)それが俺の名前。性別、男。
海が無い県、つまりは内陸部に俺は生まれ、16年間の月日をダラダラと過ごしてきた。それが俺のパーソナリティ。
七月中旬、茹だるような暑さから逃げるように俺は公園の雑木林からできた日蔭に避難している。
今日は計三人の親友と会う予定なのだ。
突き抜けるような青い空を見上げ、一息をつく。
思わず溜め息が出そうだ。
俺はコンビニで買ってきたアイスを取り出し、口にくわえて寝転がる。
涼しい。
どのくらい時間が経っただろうか。そろそろ待ち合わせの時間になるだろう。
こんな事も考慮して30分前に来ているからのんびりできる。
俺は目を閉じる、心地良い風が吹き抜ける。
「なーに黄昏れてんの?」
ふと、聞こえた声に目を開ける。
ショートカットが似合う、スカートを片手で押さえ、アイスを片手に持った女の子が逆さにうつる。
その女の子の後ろには少しおっとりした感じの、いかにも優しそうな男もいた。
「おせーぞ」
俺は寝転がったままの体制で言う。
「健吾が早過ぎるんだよ」
後ろにいる男がクスクス笑いながら応える。
この男の名前は藤目大輔(ふじめだいすけ)、俺の三人しかいない親友のうちの一人。幼稚園からの付き合いだ。
「健吾って計画性ないもんね」
女の子ははじけるような笑顔で笑う。
この女の子は水口水城(みなぐちみずき)、俺の数少ない……以下省略。ちなみにこいつとは小学校からの付き合い。
「うるせーよ。全員揃ったんだから早く行こうぜ」
俺は勢いよく立ち上がり、二人と向き合う。
「うん、そうだね」
大輔は頷きながらタオルを取り出し、汗をふく。
さて、暑いのは我慢して今日の目的地へと行くか。
もう一人の親友に合いに
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