クリスマス

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「西川さん、こっちは・・・」 西川は忙しそうに走り回るスタッフに挨拶しながら廊下を進んでいく。 「だって、会いたいでしょう?それに達哉が招待してくれたんだから、お礼も言わないと」 「そうだったんだ・・・!お礼、言いたいです!」 JULIAの楽屋の前に着くと、中から楽しそうな声が聞こえてきた。 西川はノックをしてそっとドアを開ける。 「あら、先客がたくさん。お邪魔しても大丈夫かしら」 「あっ!西川さん、来てくれたんだぁ!どうぞどうぞ入って!」 ユウが二人を招き入れる。 「ありがとう、それとお疲れ様」 「お、おつかれさまです・・・」 芹那は西川の後ろに隠れるように楽屋に入り、そっと顔を出した。 「芹那ちゃん!あけおめー!」 ライブ後のユウはいつもよりかなりテンションが高いようだ。 そしてその声で楽屋にいた全員が芹那に気付く。 「うわっ、Selinaだ!」 「本物だ、マジかわいいな」 「Selinaちゃん、一緒に写真撮って!」 JULIAが招待した有名人達が一斉に芹那に食いつく。 芹那も会いたかったミュージシャンや芸能人がたくさんで、しばらく交流を楽しんだ。 ・・・達哉さんとももっと話したいな。 達哉とは少し挨拶をしただけだった。 「あっ、そういえば達哉、ホントにタバコやめんの?」 達哉の友達が急に思い出したかのように達哉に聞いた。 「やめるよ」 達哉はきっぱりと答える。 「無理だって!またなんで急にやめるんだよ」 周りのみんなも揃って頷く。
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