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「達哉、西川さん達帰るって!」
気を利かせた尚樹が達哉に声をかけてくれた。
たくさんの友人や関係者に囲まれた達哉が、周りに「ちょっとごめん」と言いながら近くまで来てくれた。
「二人とも、ありがとう。西川さん、今年もお世話になります」
達哉は西川に微笑んだが、色んな意味が込められている微笑みだった。
「こちらこそ今年もよろしく。迷惑だけはかけないでちょうだいね」
西川も意味深な微笑みを返した。
「芹那、今年もよろしく。家に着いたらメールして」
「よろしくお願いします。でも、これから新年会なんでしょう?忙しいときにメールなんて」
「いいんだよ。絶対にメールして。俺からのお願い」
「はい」
「まったく、お願いだなんて・・・いつからそんな事言うようになったのかしらね。芹那ちゃんと出会ってから、どんどん達哉が変わっていくわ。面白いくらいに」
車の運転をしながら西川はクスクスと笑った。
「そんなに変わったんですか?」
「少なくとも、お願いなんて言わなかったわよ。私の知ってる限りではね。家に着いたら連絡してなんて言うような性格じゃなかったはずだけど。心配なのかしらね、芹那ちゃんのことが」
「子供・・・だからかな・・・」
楽屋には綺麗な女の人も何人か居たし、きっと新年会にはたくさんの女性が来るだろう。
「それだけ大事なんじゃないのかしら。今までの彼女と違って」
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