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家に着き、お風呂に入りながらもさっきの西川の言葉を何度も思い出して自分を励ました。
モデルのような女の人と親しげに話す達哉。
雰囲気は友達のようだったが、美男美女でとても絵になっていた。
・・・あたしも早くハイヒールの似合う女性になりたいな。
すらっと伸びた脚、細い足首、黒いエナメルのハイヒール。
それが頭から離れなかった。
ベッドに入る前に、達哉に約束のメールをした。
すると5分も経たないうちに電話がかかってきた。
「もしもし・・・」
「芹那?なにしてるの?」
なんとなく、いつもより話すスピードが遅い?
「お風呂に入って、寝るところ」
「もう寝るの?」
周りは少しざわついているが、人混みからは離れているようだ。
「うん・・・達哉さん、新年会でしょう?電話してて大丈夫なの?」
「大丈夫、みんな勝手に飲んで騒いでるし。俺もかなり飲まされたから、休憩」
「飲みすぎないでね?」
「うん。芹那の声聞いたら会いたくなっちゃった。今日はあまり話せなくてごめんね?あんなに人が居るところで話したら、俺が芹那の事好きなのみんなにバレちゃうかなって思って話せなかった。みんな仲いい奴らで勘が鋭いからさ」
「あたしももっと話したかった・・・でも電話できて嬉しい」
「電話だけで満足?」
「えっ・・・」
「俺は満足できないんだけど」
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