二度目の夏

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芹那は二人の話を聞いて、自分のいる環境は恵まれているんだと改めて思った。 ケンカなんて、したことがない。 本音で話し合えていないってことかな? でも、達哉とケンカして、何日も連絡が来なくなったらと思うと・・・ 「なに言ってるの芹那!溺愛されてるくらいの方が、芹那には合ってるよ!」 「そうだよ芹那!思いっきり甘やかしてもらえばいいんだよ」 ガールズトークは、真夜中まで続いた。 大好きな恋人の話はもちろん、気になっているコスメの話や、リサのモデル仲間の間で流行っている美容関係の話。 進路や、就職の話。 勉強ができて、明るくて、負けず嫌いで、しっかりしていて、将来はどんな仕事にも就けそうな真実。 美人で、スタイル抜群で、独特のオーラと世界観を持っていて、これからの可能性を存分に秘めているリサ。 芹那から見たら二人とも完璧で、将来の悩みなんて無いと思っていた。 けれど、それぞれ悩み、考えている。 この先のことが不安なのは、自分だけではなかった。 そう思ったら、少し安心した。 安心したのは芹那だけではなかった。 真実とリサも、安心していた。 勇気を出して、話してよかった。 楽しかったことや、幸せなこと、辛いこと。 信頼できる友達と共有すると、独りじゃないって思える。 真実とリサと、仲良くなれてよかった。 ずっとずっと起きていられたらいいのに。 ずっとずっと楽しい時間が続けばいいのに。
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