二度目の夏

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遊びに行きたい盛りの女の子に、ガマンさせているなんて。 俺は、なんのために芹那と付き合っているのだろう。 ガマンさせるため? ホテルに閉じ込めるため? 「ちゃんと学校行って、卒業するから。待っててくれる?」 こんなことを言わせたい訳じゃない。 「もちろん、待ってるよ」 芹那の健気な言葉が、愛おしい。 もっと楽しい思いをさせてあげたい。 幸せにしてあげたい。 「ごめん。もう少し、がんばろうな」 「うん」 芹那の笑顔が、愛おしい。 「達哉さんは、忙しそうだったね」 「ものすっごく、忙しかった。ごめん、なかなか時間作れなくて」 「ねぇ、さっきから、謝ってばっかり。あたし、怒ってないよ?」 「なんだか申し訳なくてさ」 「仕事だったんだから、仕方ないよ」 「芹那、大人になったな」 「そうかな?」 「胸も、大きくなった気がするんだけど」 達哉はそう言って、芹那を仰向けにする。 「ちょっと!いきなり何っ!」 芹那の左胸を、右手で包み込む。 「前より少し大きくなったと思うよ。自分じゃ気付かないのかな」 そう言いながら手を動かし、キスをする。 「ねぇ、達哉さんも胸好きなの?」 「どうしたの、いきなり」 「友達の彼氏はみんな、胸が大好きだって」 「そんな話までしたの?」 「えへへ」 「女の子の胸が嫌いな男なんて、この世にいないだろ。俺も大好きだよ、芹那のココ」 達哉は芹那にまたがり、胸に口付ける。 「芹那、しばらく撮影ないだろ?」 「うん」 胸の上が、ちくりと痛む。 達哉のものだという印。 この紅い印を見ると、全身が熱くなる。 達哉には言えないけれど。
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