二度目の夏

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達哉の動きが止まる。 どうしたんだろう。 急に激しくなったり、止まったり。 達哉の顔を見ると、目が合った。 達哉は髪をかき上げ、キスをくれた。 ・・・髪をかき上げるしぐさが、汗ばんだ体が、モデルのよう。 そんなことを考えてうっとりしていると、達哉に体を起こされ、達哉の上に座らされる。 「あっ・・・」 深く、挿さる。 体内が、達哉でいっぱいになる。 目の前には、美しい達哉の顔。 そんなに、見つめないで。 優しい笑みを浮かべた口唇が、芹那の口唇にそっと触れる。 しだいに、とろけるような甘いキスに変わる。 達哉はゆっくりと、下から突き上げるように腰を動かしてくる。 「んっ、あっ・・・」 ゆっくりだった動きが、次第に速くなる。 達哉は芹那の腰を掴んで前後に動かし、更に下から突き上げる。 芹那の呼吸が乱れる。 達哉の膝から落ちないように、必死に達哉の首にしがみつく。 激しい動きと快感で、どうにかなってしまいそう。 達哉の乱れた呼吸が、芹那の理性をかき乱す。 「達哉さ、も・・・だめ・・・」 吐息交じりの声で、必死に訴える。 「イッていいよ」 達哉は、芹那が感じるところに思いっきり気持ちをぶつける。 芹那は、声にならない小さな悲鳴をあげる。 「たつやさ・・・」 達哉にしがみつく芹那の腕に、力が入る。 芹那の体が、一瞬こわばったかと思うと、力が抜ける。 ぐったりと、達哉にもたれかかる。 達哉は芹那の体をそっと寝かせて、抱きしめる。 また、気持ちを抑えきれなかった。 好きすぎて。 愛おしすぎて。
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