しるし

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だけど、俺はゆうやに甘えすぎたのかな? 友人に遊びに誘われたら先約のゆうやでも断って友人を優先したり。 地方に出向けば普段会えないからやっぱりゆうやより旧友を優先したり。 二人の記念日もこんな仕事柄だと今日の日付自体忘れちゃう俺だけどゆうやはしっかり覚えてたり。 ゆうやは 優しいから笑って 良いよ、って言ってくれた。 久々にゆうやとの部屋だけど、デート。 俺はいつもに増して上機嫌で 「ゆうや、顔色良くないよー?」 「そ、かな?」 苦笑するから心配で。 だけど打ち明けたく無いんだとまた普通に接する。 「…でさ、しんぢったらま…っ」 突然抱き寄せられて 「別れよう、マオ君…」 別れを告げられて 「は?意味分かんな…」 ゆうやを見たらいつもみたいな優しい笑顔でもなく、おちゃらけたりするでもなく ただ悲痛な顔をしてた。 「マオ君…ごめん……」 言わないで 「別に良いよ?」 俺は強いから 「…え?」 笑わなくちゃ 「ゆうやが決めたなら、それが結論じゃん?」 笑え 笑え 俺 「……うん。」 「じゃ、帰る~。」 玄関に少し急ぎ足で向かう。 「…マオ君…」 呼ぶなよ 「…ごめん…」 なんで、ゆうやのが 悲しそうにするの? 扉を開ける前超絶笑顔で振り向く。 「ゆうや、有難うねッ(ハァト)」 「…ん。」 「ばいばい♪」 急いで靴を履き扉を開けてマンションを飛び出す。
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