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その頃。
「…由希。どのくらい血を吸ってない?」
「3ヶ月前。未羽に無理やりされたとき。」
その言葉に飛鳥が怒った。
「…お前、このままじゃあヤバイぞ。」
「…なにが…?」
「…禁断症状…」
「…なんだよ…それ…」
なにも知らない由希に飛鳥が教えた。
「…吸血鬼の本能を制御しきれなくて一番大切な人を襲ってしまう。…血をすべて喰らい尽くすまでな。」
「…吸血鬼の本能って?」
「…もう、分かってるんだろ?…愛情だよ。大切な人を思う。だから満たされたくて血を吸うんだよ。」
「…分かってるよ。だけど大切で…愛しくて…傷つけたくないんだよ…」
今度は飛鳥が黙り込んだ。
少しの沈黙の後口を開いた。
「…症状出る前になんとかしろよ?」
飛鳥にはその言葉を言うのが精一杯だった。
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