第2章 突き付けられる『現実』

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・ ・ ・ 藍「ほう、私の弾幕を避けるとは……中々やるな、人間。」 橙に押さえられ、やっと落ち着きを取り戻す藍。 青年「お褒めにあずかり光栄だ……ただ……」 藍「ただ……何だ?」 不思議そうに藍が尋ねる。 青年「部屋、こんなにして……大丈夫なのか?」 青年がボロボロになった部屋を見回しながら言う。 藍「…………はは……は……」 藍も部屋を見回し笑ってみせるが笑顔が引きつっている……ヤバいらしい…… ?「何?騒がしいわね……」 何もない空間が突然割れ、そこから品の良さそうな女性が顔を出す。 ?「……」 そして固まる…… 藍「え……っと、紫様、これには深~い訳がありまして……」 必死に弁解をする藍。 紫「藍。」 藍「は、はい!」 紫に呼ばれ藍はビクッとする。 紫「部屋、ちゃんと修理しておきなさい。」 藍「し、承知しました!」 と言って急ぎ足で部屋を出る藍。恐らく道具を取りに行ったのだろう。 紫「さて、と……そちらの人間さん。」 藍が出ていったのを見送った後、青年の方を見る紫。 青年「え?はい。」 紫「客間の方まで来てくれるかしら?色々と話したい事があるから。」 青年「話したい事?……分かりました。」 紫「じゃあ、橙。彼を客間まで案内ヨロシクね。」 橙「はい、紫さま。」 橙の返事を聞き、再び空間の裂け目に消える紫。 橙「じゃあ、行きましょうか……えーと……」 橙が少し困った顔をする。 真「俺の名前は真、『天翔 真』(あまかける まこと)だよ。 ヨロシク。橙ちゃん。」 真が名乗ると橙の表情がパッと明るくなり。 橙「はい、よろしくお願いします。真さん。」 深々とお辞儀をする。 真「はは、そんなに丁寧に挨拶されると、むず痒いなぁ……」 恥ずかしそうに自分の頬をポリポリ掻く真だった。 橙「ふふ、じゃあ改めて客間に……」 真「ああ、行こうか。」 橙に連れられ客間に向かう真。
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