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「……間違いなくあんた一色だよ」
ふと思い出した記憶に答えてみる。
結局あの時は何も言えないままだった。
自分でも答えがわからなかったから……。
今ならはっきりとわかる。
「刹那!!!!」
声と共にドアが開いた音がしたと思ったらドタドタとかけてくる音。
肩を大きく動かしながら息をしている。
まさか……ここまで走ってきたのか?
「刹那……良かった。やっぱり帰っていたんだな」
「……ロックオン」
「ったく、どこに行ったか探し回ったぜ……」
そう言いながらもいつものように優しく頭を撫でる。
「どうして…あんたは自分に素直で、俺に優しいんだ?」
「…は?」
しまった!!思わず声に出してしまった。
「どういう意味だ?刹那……」
整った顔が真剣な表情を浮かべ俺に近づく。
「だから……その…どうして俺は素直じゃないんだろって……」
恥を忍んで聞いたみた。
勇気を振り絞って聞いてみた。
なのに……。
「プ!!ハハハハハハハ!!!!」
目の前で大笑いしているこの男を一思いに殴ってしまいたい……。
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