人として

2/2
前へ
/17ページ
次へ
その母親は彼に、   大人の知恵を出しながら、 皆で彼の娘の傷が少しでも早く薄れるように 協力して頑張りましょう と言った   彼はそこまでご迷惑はおかけできないと言うと   「家族だと思えばいいでしょ、   人間なんて皆お互い様じゃないの」   そう言われて彼には返す言葉が無かった   彼はずっと 人様に迷惑をかけないように ご恩は必ず返さなければならない   そう生きてきた     人と言う字は   線が支え合って人と読む   そんな事を思い出していた   今 彼を 彼の娘を支えているのは   他人だった
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加