第1章

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第1章

ファルシオン公国暦253年 世界は大きな不安の渦の中にあった。 5年前、大陸の端に炎が立ち上がった。 やがてその炎は地平線を覆うかの様に横に、一文字に広がった。炎は100日間消えずにいた。 公国の(グジャラートⅢ世)はこの事態を由々しく思い、数百の軍隊を派遣し、これの鎮圧にかかった。 …が、この炎は水をかけても、土を盛っても消える事は無かった。 まるで地面が燃えているようにその炎は大陸を焼き払いながら、徐々に前進を続けて行くのだった。 人々は恐れを抱き、不安を抱き、この炎を《禍》と呼んだ。
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