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じりじりと照りつける太陽が、私の皮膚を焼く。
後ろには私の家。
確か、玄関の前はプランターに植えられていた、数々の植物が見られるはずだったのだが、何も無い。
…何も無い。
隣や近所の家々も無い。犬の姿も、車庫も、もちろん車も無い。
あるのは一面の草原。
外国にでも居るような感覚だ。でも、動物は見られない。
沢山の感情がよぎる中で、一番強く思った…。
──…寂しい……──
「誰もいないなんて…寂しいよ」
そう口に出して初めて気づいた。
周りが無音過ぎて気づかなかったが、音が存在していた。
草原の摩擦音がさらさらと響き渡る。
とても気持ちがいい。
でも、心は寂しいまま。
一瞬、笑顔は見せたものの、その顔はすぐに曇ってしまった。
その表情に呼応したのか、晴れ渡っていた空に、突然薄暗い曇が現れ始めた。
雨がちらほらと降り始めて、私は足元に目をやった。
私の膝までもある草たちが、少しずつ濡れ始めてきた。
不思議とその雨は冷たくなかった。
足にあるはずの濡れ草たちの気持ち悪さがわからなかった。ただずっと…ひたすらに、微塵にも、私はその場から動かなかった。
どうしてだか自分にもわからなかった。
ただ、雨足を真っ正面から受け、曇をずっと見続けていた。
その時、急に視界が下がった。ぐんと下がり、自分が自分の姿を後ろから眺めていた。
そう、目はここにある。狭い視界の中に…。
その狭い世界の草原に、ワンピース姿の少女がいた。
なぜか、その姿がカメラのズームをしたかのように、少女の顔を映し出した。
髪の長かった頃の私がそこに居た。
とても幼く、小学生であった私が…。
見間違ったわけではない。それは確信していた。
何よりも決定的だったのは、幼少の頃から見え始めた、冷たい目つきをしていたからだ。
恨みとは少し違う感じの、冷たい目つきをしていた。
多分、それはきっと、寂しさのせいなのだろう。と、私は勝手に解釈をした。
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