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災厄の元凶であるジェノサイドを破壊し、地底都市の崩壊に巻き込まれる寸前の所を蘇ったシャドに助けられたダークは
過去の思い出を振り返るかの様に無人となったランドタウンを歩いていた
シャドには別れ際に、もし何かあったら悪魔達の城へ帰って来いと言われたが、最後の別れを告げた相手のいる場所に帰る気にもなれず、こうしてフラフラと行くあてもなくさまよっているのだった
(………災厄が終わった……もうハーツ達には会えない…俺はこの世界で何をすればいいんだ……)
精霊勇者の武器である夢想剣が砕け散ったためか、エレメントは全く使えず、武器と言えば黒九龍との戦いで傷んでいる龍殺刀桜花と、龍殺刃秋月、後は服の袖に仕込まれたチェーンと銃だけだ。銃に限ってはエレメントが使えないためか全く使い物にならなかった
(こんな所で時間を無駄にするよりは動いた方がいいか……)
ダークはくるりと向きを変え、とりあえず外に行くことにした
(災厄が終わってもまだあっちの世界に帰るトンネルが開いてるかもな…)
そしてダークは元の世界へと繋がるトンネルを目指す事にした
時間は既に夕日が見えなくなり、新月のため月もなく、辺りは暗闇が支配していた
(静か過ぎるな………)
そう思いながら平原を一気に抜けようと靴にある装置を作動させ
加速しながら出発してしばらく経過すると
目の前にだんだんと赤い液体状の物体が見えてくる
それは既に敵とは言えない程の魔物、スライムの集団だった
(……襲ってくるか…)
しかしスライム達はダークが近寄っても襲って来るどころか動きもしない
どうやら眠っているようだ
(……災厄が終わると魔物達も呑気になるみたいだな……)
そしてダークはスライム達を通り過ぎると
そのままトンネルまで一直線に進んで行った
そしてだんだんと目の前に端の見えない山脈が見えて来る
空間を移動するトンネルなのだからその向こう側は多分別の風景が広がっているのだろうとダークは思った
(トンネルトンネル……)
そしてダークはトンネルを探し始めるが
トンネルは初めからなかったかの様に跡形も無く消えていた
しかし人々が通った跡は残っているため、どこにトンネルがあったのかははっきりとわかった
そしてトンネルのあった場所に立つとダークは
全力で岩の壁に突進した
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