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暖かい風が吹き荒れ、桜の花びらが舞う。
桜吹雪で視界がピンク色に埋め尽くされつつある中で、桜の木の陰から女の子が姿を見せた。
栗色の肩口よりもちょっぴり長い髪に青と白のストライプが入ったリボンをつけた少女は、吊り下がった俺を『にこにこ』とうい擬音が似合いそうな笑みで見つめている。
「あんた何をやってるんですか!? 早く降ろして下さいよ!」
「あらあらぁ~もう少しその状況を楽しんでみてはいかがですか? 新たな世界の入り口になるかもしれませんよ♪」
「こんな意味不明な行為で目覚める世界に興味無いから!」
『それは残念ですぅ~』と心底つまらなそうに頬に手をやる女の子は最強に可愛いが、その行動と言動は理解不能だ。
「もう~そんなに怒らないで下さいよ~えい!」
「もが!?」
宙ぶらりになった俺の頭を女の子は優しく抱きしめてきた。
花のほのかに甘い香りと柔らかく豊満な胸に顔を埋め、俺の脳は酸欠と快楽から痺れてしまう。
「うふふ~大人しくなりましたねぇ♪ 純也さんも男の子なんですね♪」
「むがが!? ぷはっ!? なっ、何で俺の、」
ブチッ!
息苦しさから暴れたら縄が切れ、俺の体は地面に真っ逆様に落ちた。
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