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「…明後日の…対決…楽しみにしていますから…」
玲はハッキリと否定はしなかったものの、大山の質問をさらりとかわす余裕を見せた
「オレも楽しみだよ。玲ちゃんが負けるとこ見るの」
「…大山さん…何か間違えてない…?」
「あ、間違えた。玲ちゃんと鬼國さんと音無と……」
「玲さん、気にしないでくれ。この男は虚言癖があってな」
「素子さん、世の中には必要な虚言と、無駄な虚言があってね…」
「…今のは…無駄…」
「そうだな」
大山はバツが悪そうにポリポリと頭をかいた
「…それでは…私は…戻ります……」
玲は軽くお辞儀をし、部室を出ていった
「しかし、玲ちゃんだけならまだしも…曲者が揃いに揃ったね」
「今回はさすがに厳しいんじゃないか?」
「ん?何で?」
「何でって…」
「曲者が揃えば揃うほど、オレに有利なのよ」
「それは必要な虚言か?」
「いや、事実さ」
大山の楽しそうな笑顔
これが何よりも事実を物語っていた
「ところで、玲ちゃんと何の話してたの?」
「部長の悪口」
「…え?それは無駄な虚言だよね…?」
素子の表情もまた
事実を物語っていた
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