裏切りのジョーカー

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『早速ですが問題…の前に少し時間を与えましょう。10分間のフリートークです。問題の合間合間には必ずこの時間を設けます。しっかりと観察して下さい。どうぞ』 大山の合図と同時にいつの間にか用意されていた大型の電光式タイムカウンターが動きだす 「よし、この場を仕切るリーダーを決めよう」 開始早々に口を開いたのは音無だった 「リーダーって…どういう意味よ?」 「司会的な役割が必要だ。皆が思い思いに発言していたんでは時間が勿体ない。」 「どうやって決めるのですか?」 「サイコロでいいんじゃな~い~?」 「…ジョーカーに…当たったら…?」 「その時はその時だろう。ともかくサイコロを振るぞ」 「じゃあ僕が振る~」 渡邉が手を伸ばした時、隣にいた夏川がその腕を掴んだ 「あなたはダメ。好きな目、出せるんでしょ?」 「九割ぐらいなら~…」 「だったらこういうのは任せられないわね。ただでさえあなた、疑わしいんだもの」 渡邉は頬を膨らませて、不服をアピールした 「じゃあ夏川さんに振ってもらいましょうか」 「分かったわ」 夏川がサイコロを降る 出目は3 「僕…か」 「妥当なところでしょうね。多人数の部員をまとめている音無さんならば4人ぐらいわけはないでしょう」 「そうね…。じゃあリーダー、早速どうする?あまり時間はないけど…」
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