裏切りのジョーカー

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時間は半分を切っていた 「まずは…直感でいい。疑わしいと思う人間を言ってもらいたい」 「そうやってお互いに不信感を募らせて何か意味があるのかしら?」 「一人が疑わしいと思う人間は皆で観察したほうがいいだろう?」 「これはあくまで【協力】ということですね?」 「そうだ」 「…私は…渡邉さん…」 「私もですね」 「僕もだ」 玲をきっかけに次々と語りだすプレイヤー 当の本人、渡邉は言い訳もせずに何食わぬ顔をしている 「僕は~…音無くんだなぁ~」 「理由を聞かせてもらおうか?」 「なんとなく」 音無は苦笑いを浮かべる 「夏川さんはどうなんだい?」 「私は…鬼國さんね。彼女は心理研究部とそんなに接点がないはずよ。ここにいることも不思議ならば予選を通過したことも正直、疑わしいわ」 夏川はほぼ初対面の鬼國相手にはっきりとこう言った 「視野が狭いというのは愚かですね」 鬼國は一切表情を崩さずに反論した そして会話の終わりを告げるベルが鳴る
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