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大山はポケットに手を入れた
『残念』
手には小さな箱が持たれていた
正確にはつままれていたという表現がいいだろう
『今日は一番小さいトランプを持っていました』
まるで大山は音無が自分を観察していたことを知っていたかのようだった
『では追放までの10分間楽しんでください』
「あいつ…なんて問題を出すんだ…」
「てかあんた、そんな細かいとこまで見てるのねぇ…感心しちゃうわ…」
「彼を相手にしてるんだ。どんな些細なことも見逃してはならないと思ってね」
「私はまだまだ甘ちゃんってわけね」
「大丈夫だよ~。音無くんが異常なだけだから~」
渡邉は意地悪な笑みを浮かべる
「何とでも言ってくれ。それよりもっと異常なことがあるだろう?」
音無は隣に座る鬼國の方へ向き直った
「ずいぶん優しい問題だったじゃないか?」
「大山さんに言ってください」
「ジョーカーには優しいな?…とでも言えばいいかな?」
「仮に私がジョーカーだとしたらあれは優しさじゃありませんね。あんな簡単な問題をわざわざ私に出すメリットがありません」
「大山はそれを楽しんでいたりしてね」
「ジョーカーの腕に期待してね~?」
「だとしたら…その期待とやらはいい迷惑ですね」
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