支配者

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大山はその歓声の中、ステージ袖にいる政宗に、憎たらしい笑顔を向けた     政宗が肩を落としているのが分かる 『さぁさぁ皆さん、落ち着いて。まずはルールが分からなければ優勝が出来ませんよ?』 もう大山がこの場を支配している   スイッチでもあるかのように、歓声はピタリと止み、大山へと注目する生徒達 『とは言え、ルールは簡単です。51枚あるトランプ。その中で少ない色を当てた方が予選突破となります』 「え?え?」 「何?どういうこと?」 「だから、赤と黒があるだろ…」 「え、つまりは…?」 少ない説明に困惑する生徒達     大山はそれをまさに見下ろす形で楽しんでいた 『つまり、これは立派な心理戦。トランプを持っているプレイヤーに色を尋ねるのも自由。嘘をつくのも自由。見せてもらうも自由。ただし、暴力は禁止です。即失格とします。もう一度、ルールは受付の段階で説明するので、興味がある方は是非、我々心理研究部室を訪れて下さい。では…』 大山はそのままステージ袖へと歩いていった 『心理研究部、ありがとうございましたー。次は近藤先生による文化祭中の注意点を…』 しかし、もう話を聞く者などいなかった まだ受付まで3時間ほど余裕がある にも関わらず大半が大山の持ち出したゲームに興味が隠せなかった
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