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とりあえず、話し掛けてみるか…。
男を女だと思っていた自分に嫌気がさしながら、でも女の子に見えたソイツに少しだけ興味が沸いて、話し掛けた。
よく言うだろ?
六分の恐怖と四分の好奇心って。
「お前、新入生か?」
相手が振り向いた瞬間、
何故か胸が高鳴った。
「はい、ちょっと迷っちゃって困ってたんスよ。」
…アレ…?
何か違和感。
まぁ、いいや。
なんかコイツ不思議。
相手は、苦笑いしながら肩をすくめて見せた。
「馬鹿だな。まぁ、この学校広いし、仕方ないか…。俺も赴任してきた時はちょっと迷ったし…。」
「えぇ!?
せ、先生だったんですか!?」
…―――わかった。
今ので全ての謎は解けた。
…俺はコイツに生徒と間違えられてたんだ…。
思わず、吹き出してしまった。
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