第一章

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「ねぇ、それってもう決めたの?」     「う~ん。まあね。」     「…辞めよ?家出なんて…。」     「……。あっ、とりま教室行こうよ。先生きちゃうよー?」     「いや、まだ話終わってないじゃん!」     「あとで、ちゃんと話すよ。」     「…。」     「つぅメイク直さなきゃ、顔黒いよ。」     「まぢだ!」      私は中学の時、ひどいいじめにあっていた。先生ぐるみで。      だから私は、同級生のほとんどが行く方面の逆の高校をえらんだ。      電車で四十五分位かかる高校。      さらに、女子の群れる所。陰険な所に嫌気がさしていたので、女子の少ない工業高校をえらんだ。      第一志望は情報技術科だったんだけど…、中学の担任が勝手に建築科に決めた。      同じクラスのさきなが建築科を受験するのを知ってて変えたんじゃないかと思ってる。      さきなはいじめの中心の子達の一人だった。
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