第一章

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 めまいがして、吐き気がして…。      トイレのドアを開けた瞬間、倒れるように座り込んだ。     「大丈夫?」      声をかけてきたのは、つばさだった。     「だ…いじょ…ぶ……です。」     「顔青いよ?」         そういってハンカチを水で冷やして貸してくれた。     「ありがとう」      涙を隠す為に顔を覆った。     「次のテストも頑張ろうね☆」      【女子】という存在が怖かった私。     「汚い」 「キモい」      中二から学校での会話が無かった私。苦しみから逃げる為、私は誰にも見えてないんだって思い込ませてたから。      だから尚更つばさがしてくれた事は嬉しかった。     「うん。ありがとう!」     「私、中村つばさだよ。よろしくね☆」     「成美あこです。こちらこそよろしくね!」
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