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不良A『んだとコラァ!?テメェいい度胸ーー』
不良Aが怒り大雅に掴みかかろうとしたが、それをヒョイっと軽く避ける大雅。
それから、俺たちの存在に気がついたのか……大雅はこっちを見て少年のような笑顔になった。
大雅『おぉ〜〜いハル〜〜!!おめぇも今登校かぁ!!』
春馬『えっやめて今話しかけないでめっちゃ恥ずかしい。』
バイオレンスに突入しそうな空気で俺に絡まないで凄い嫌だ。
周りを見ると、野次馬の生徒たちの視線は俺へと注がれていた。
…ついでに、咲と由紀はその野次馬に混ざるように俺から距離をとっていた。
春馬『おいテメェら俺だけ放置!?俺だけ虎の餌!?』
俺の呼びかけにもツーンと無反応の咲。
由紀は目を輝かせて成り行きを見守っている。
最低かコイツら。
自分らを無視し出したからだろう、不良のもう一方である不良Bは手の骨をバキバキと鳴らしながら大雅に近付く。
不良B『俺らを無視すんじゃねぇ!!』
それから不良Bは大雅へ殴りかかった。
…はずなのだが、その拳は大雅へと届かない。
それより前に、大雅の放った回し蹴りが不良Bのみぞおちへクリーンヒットしたからだ。
それにより不良Bは声もなく崩れ落ちる。
その一瞬の出来事に不良Aはポカンとする。
そのポカンとしている顔面に、大雅は容赦なく右の拳を叩き込んだ。
大雅『うし、終わり!』
沈む不良A。
ものの数瞬で、この喧嘩は幕を閉じた。
春馬『…………。』
大雅『よーうハル!今日は俺珍しく遅刻せずに登校したんだぜぇ!こりゃなんかいい事あるよなぁ!ご褒美に昼は甘いアイスでも買って食おうぜぇ!』
いやすでに朝っぱらからトラブル巻き起こしてるんですが。
それからあんな騒ぎ起こしといて俺に絡みに来ないで下さい、野次馬たちのドン引き感が俺にも向けられてる気がします。
大雅『あ?何アホ面してんだハル?』
立花『ーー赤峰ッ!!』
周りのざわめきを一喝するように、立花先生の怒号が響き渡る。
その怒号に負けず劣らずの般若のような形相をした立花先生が現れ、流石の大雅も表情を強張らせていた。
立花『なんだこの騒ぎは!?またお前の仕業か!?』
大雅『いや、俺は人助けをしたんだよ!つーか先に殴りかかってきたのはアイツらーー』
大雅の反論が終わるより先に、立花先生はどこからともなく木刀を取り出す。
そして、大雅へ近付きそのままその木刀を横へ払いーー
大雅『ーーヒェン!?』
……それは大雅の顎へヒットして、大雅は変な声を上げてそのまま前へ倒れ込む。
その大雅を立花先生は身で受け止めて、荷物のように肩に担いだ。
立花『お前らも、始業のチャイムが鳴るぞ。さっさと学校へ入れ。』
野次馬にそう告げて、立花先生は気を失った大雅を担いだまま学校内へと消えていったのだった。
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