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大雅達は先に行ってしまい、優先輩と俺と咲だけになった。
優『ははっ。楽しい子達だね。』
春馬『まぁ…退屈はしないですね…』
優『じゃ、後は任せるね。』
優先輩も部屋から出ようとした。
が、ちょっと気になってその背中に声をかける。
春馬『あの……優先輩は何をプレゼントするつもりなんですか?』
優『それは言えないんだ。秘密。』
優先輩はニコッとスマイルをばらまいて、退室していく。
残された俺と咲は互いに顔を見合わせる。
春馬『なにあれ、めっちゃカッコよくない?惚れそうなんだけど男なのに。』
咲『ね。誰かさんに爪の垢煎じて飲ませたいわ。』
ははは誰のことだろうね。
俺たちもゆっくりと部室を出ると、廊下の奥で大雅と由紀が手を振っていた。
春馬『大雅達は優先輩のこと知ってんの?』
大雅『当たり前だろ!?あの二人は「完璧カップル」って言われてんだぞ!?』
完璧カップル!?なんじゃそりゃ!?
欠点ないってこと!?
ていうか恥ずかしくないその感じ!?
咲『優さんも麗奈さんも、もう完璧な人でね。だから皆、あの二人を目標にしたりしてるの。』
春馬『へぇ……』
由紀『ねぇ、結局何を買いに行くの?』
……そうだよなぁ。
優さんのプレゼントとかぶったら嫌だしな……
咲『結局どこに行くの?』
大雅『デカイ場所なら選びやすいだろ?ショッピングモール行くぞ!』
ショッピングモール。
名前から察するに、買い物ができる施設のことだろう。
だが実際に行くのは初めてなので、実はすごくドキドキしている。
そこに到着し、沢山の人混みを眺めながら俺はその感動を噛み締める。
春馬『…なんだこのテーマパークは。なんだこのテーマパークは!?』
咲『コレと一緒にいたら恥ずかしいから二人で向こう行ってましょ由紀。』
冷たないですか!?
感動してる俺から離れるように、咲は由紀を連れて人混みの中へ消えて行ってしまう。
おいおい、こんな人多い所でこんな広い場所で、俺を一人にしたら間違いなく迷子になるぞ。
だからそれを回避する為に大雅についていこう。
そう思って振り返ると、大雅がいない。
すでに奴は一人人混みの中へ特攻していったみたいだ。
……よっし、迷子確定だな!
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