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一人で歩き、ショッピングモールをぶらつく。
もう完全に迷子だけど、まぁ誰かが見つけてくれるだろう。
謎の自信により、俺の不安はなくなる。
ので、俺もプレゼントを探すとするか。
女の人が欲しいものなぁ…なんだろ?
金?
いや金はないな。
金券だな。
春馬『…いや金券もないな。』
いくら世間知らずと言えど、生々しいプレゼントはドン引かれるのは流石に分かる。
じゃあ欲しいものってなんだ?
俺が欲しいもの……自由?
自由をプレゼントって意味不明だしなぁ。
うーん……
春馬『……よし、行くか。』
―――――無事(?)俺は買い物を終え、とりあえず自分のために他の三人を探すことにした。
ヤバイ。
マジでどこだかわかんねぇ。
さっきは不安ないとか言ったけど嘘ですめっちゃ不安です心細いです。
春馬『…………!?あれはぁっ!?』
そろそろ泣こうと思っていた時、前方に咲と由紀がソフトクリームを食べながら歩いていたのを発見した。
春馬『うぉおおおぉおいい~~!!』
咲『え?あ、ハル?』
由紀『ハル君~!どうしたの?』
俺が駆け寄ると、二人とも首を傾げて出迎える。
良かっだぁ………迷子から解放されだぁ……
咲『…なんで半泣きなの……?』
由紀『ハル君カワイ~イ!』
もう二度と迷子になりたくない……。
そしてもう二度とこんなラビリンスには潜入しない。
春馬『てゆーかお前らはなんでソフトクリーム食ってんだよ!?』
由紀『いやぁ…よくよく考えたら私達はプレゼント買うだけのお金持ってきてないし…』
春馬『ちょっとください。』
咲『なんでよ!』
だって美味そうに食べてるもん。
隣で甘いもんを食われてたら精神的によろしくないんだよ。
その時、咲の口元にソフトクリームが付いているのを見つける。
春馬『おい、口についてるぞ。』
咲『え?――』
俺は咲の口についていたソフトクリームをヒョイと指でとり、パクっと食べた。
………うまい!
夏に食べるアイスは美味いな!
9月は夏だよな…?
季節感に疑問を抱く俺の横で、咲は顔をみるみるうちに赤くさせていた。
咲『な…何してんの!?』
春馬『え……?いや、お前の口についてた―――』
由紀『いいな~~!私もやってよ~~!』
あれ?なんで?
目を見開いて顔を真っ赤にさせて、手をワナワナと震わせている咲を見るに、どうも俺は何かやらかしてしまったらしい。
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