23159人が本棚に入れています
本棚に追加
優『ありがとう!』
まぁ俺の怒りも優先輩のザ・スマイルによって彼方へ消えるんですけど。
早速俺は購入したプレゼントを渡そうと懐を探る。
春馬『あ、これです。』
優『ちょっと待って。』
俺が渡そうとしたら、優先輩がそれをとめた。
優『…春馬君。春馬君はこれをどうして買おうと思った?』
春馬『……?』
…買った理由ってことか?
そりゃ優先輩と麗奈先輩に喜んでもらいたいから……
いや、そういうことを聞いてるんじゃねぇな。
春馬『……俺は……俺が人にあげたいプレゼントを……選びました。』
優『……良かった!俺と同じだ!』
……?何が?
優先輩は相変わらずのスマイルで喜んでいる。
が、俺にはそのリアクションがよく分からずポカンとする。
優『いや、ありがとう。もう十分だよ。』
春馬『へ?…どういうことですか?』
プレゼントの受け取りを拒否され、ポカンとしてしまう。
優先輩は恥ずかしそうに頬を掻く。
優『…ちょっと…自信がなかったんだ。俺も、俺が麗奈に渡したいものをプレゼントにするつもりだったんだ。そして、春馬君もそうだった。』
そう言って、優先輩はまたまた眩しいスマイルを向ける。
優『俺は自信がほしかったんだ。でも、もう君達のおかげで自信がついた。ありがとう』
メガスマイル。ぱねぇ。
要するに俺のプレゼントの中身には別に意味はなかったわけなのね。
最初からそう言ってくれりゃよかったのに…
大雅『…カッケェ……』
由紀『すっごい……』
春馬『…え?え?』
いや確かにカッコイイけど、お前らマジで意味理解できたの?
なんかいい男感ありすぎてよく分からん、というか何その依頼?みたいになってんだけど俺だけ?
優『春馬君のプレゼントは、春馬君が渡したい人に渡しなよ。俺はもう十分だ!あ、もちろん代金は立て替えるから!』
春馬『いや、金は別にいいんですけど…』
………え?
理解してないの俺だけ?
優『そう言われても…あ、じゃあ今度食事でも奢らせてよ!』
春馬『あぁ、それなら喜んで。』
俺の返答に満足した先輩は、また爽やかスマイルで俺らに礼を言い…そのまま部活へと戻っていった。
春馬『…ようするに……どういうこと?』
大雅『あぁ!?わかれよ馬鹿!』
うわ、コイツに馬鹿って言われるなんて屈辱の極みだ。
由紀『これで解決だね~』
大雅『優さんの悩みを解決したんだ!!有名になるぞ!』
大雅と由紀はまったく疲れを感じていないらしい。
その二人をよそに、咲は顎に指を当てて考え込んでる仕草をする。
咲『…もしかして優先輩、私たちの活動を支援する為にわざわざ頼ってくれたのかな?』
春馬『支援?なんで?』
そう言うと、咲ははしゃぐ大雅と由紀を見る。
咲『だって、依頼内容だって、別に友達に相談くらいで済みそうな話だったし。なんか、私たちの活動を広めようとわざわざ来てくれたみたいに感じちゃって。』
春馬『はっはっは、だとしたらめっちゃ良い先輩だな。』
まぁ俺的には有名になりたくはないからありがた迷惑だけども。
こうして俺達は無事優先輩の悩みを解決し、さっさと帰宅した。
俺と咲も桜庭家に帰り、昼飯をどうするか悩む。
咲『そういえばハルは何買ったの?』
最初のコメントを投稿しよう!