二人だけのベタな夜

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基本的に理想と現実ってのは大幅なズレがあったりする。 何が言いたいかって言うと、俺は学校の授業をかな~り楽しみにしていたんだよ。 イメージ的にはもはやキャッホ~イな楽しいもんだと思っていた。 けど……いやはや、授業って楽しい要素が皆無だね。 あまりにもイメージと違いすぎたせいで、俺は何かしらの脱力感に襲われてしまったほどだ。 で、そんな今日は祝日。 つまり学校は休み。 春馬『……あ~……』 朝起きた俺は、隣に置いてある時計を見て複雑な心境になる。 せっかくの祝日だというのに……何故だか早起きしてしまった。 もったいない。 早起きなんぞ祝日の朝の無駄使いだ。 ……いや、逆にせっかくの祝日を寝て過ごすほうが祝日の無駄使いか? 春馬『……あ~……』 とりあえず、寝起きの頭は回転がすこぶる悪い。 春馬『おはよう……』 俺がリビングまで行くと、そこにはすでに咲がいた。 咲『あ、おはよう。』 春馬『……パピィは……?』 いつもこの時間ならまだパピィは家にいるハズだけど…… 咲『あぁ、お父さん今日は仕事の都合で早くから出てるの。』 仕事の都合? 早番ってやつですか? パピィの大変なお仕事事情にしみじみと普通の家庭感が染み渡って凄くいい。 咲『あとお父さん帰ってくるのは明日の朝になるらしいよ。』 春馬『マジでか。』 おいおい、パピィがいない桜庭家なんてダンディオーラ0じゃないか。 やだよパピィに会いたいよ。 咲『たまにこういう日ってあるのよ。』 春馬『……あれか、今日は二人っきりか。』 そう口にして、自分でも首を傾げる。 ……え?二人っきり? え?二人っきり? 春馬『同じ屋根の下で二人っきりだと……?』 咲『気持ち悪い。』 凄く冷めた目で言われた。 なんかこの子俺に対して凄い冷たくない? ……これって状況的にはどうなんだろう。 ……いや、別に咲と二人っきりになったからってウッフン☆な展開にはまずならねぇし。 春馬『……ん?たまにこういう日があるって……じゃあお前前までは一人だったのか?』 そう尋ねると、咲は頷く。 あまりにも何ともなさそうに許容している咲が、何故だかとても悲しい少女に見えてきてしまう。 春馬『……咲……今日からは俺もいるからなっ……!』 咲『気持ち悪い。』 再度冷たい目を向けられた。 俺嫌われてないよね?大丈夫だよね?
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