二人だけのベタな夜

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咲『…なんか…トラって普段もあんなんなんだ……』 春馬『……見なかったことにしよう。』 マシュマロのためだけにイカツイ奴らとスーパー行くなよ。 しかもこだわりが激しく下らねぇんだよ。 正直プライベートではアイツと関わりたくないから、俺達はバレないようにそーっと移動した……が 大雅『ああ!?咲とハルじゃねぇか!?』 ……バレた。 大雅とイカツイ人達はこちらに走ってくる。 念のため言うけど、ぱねぇぐらい恐い状況だよ? 春馬『…よう…。……何してんの…?』 大雅『休日の楽しみは甘い物から始まるんだよ!!』 その顔してよくファンシーな発言できるな。 あと後ろにいる怖い人たちどうにかして泣きそう。 大雅『お前らは何?普通に買い物?つまんねぇ~』 普通じゃない買い物をスーパーでする人がいるのならぜひお友達になりてぇよ。 そして後ろにいる怖い人たちをどうにかしてくれ本当に。 大雅『お前ら二人で買い物ってなんか新鮮だなぁ~』 咲『トラの買い物は異様だけどね……』 そりゃそうだ。 極道のアニキ的存在の奴が休日のスーパーでマシュマロを購入って…… 大雅『んじゃ俺は行くわ!!またな二人とも!!』 大雅が去るとイカツイ人達も大雅についていった。 春馬『……アイツ、多分人生楽しいんだろなぁ……』 咲『……うん…』 こうして無事買い物も終わり、帰り道。 普通に荷物全部持たされた。 分かってたけど。分かってたけども。 春馬『…なぁ……少しぐらい持てよ……』 咲『男なんだから頑張りなさいよ』 いや荷物持ちは構わないんだが、もうちょっと優しさをください。 すると突然、咲が動きを止めた。 春馬『ん?どしたの?』 咲の見つめる先にあるのは……猫。 人の家の玄関近くで猫がひなたぼっこをしていた。 あぁ、こういう光景ってなんか休日感あっていいよな。 咲『カワイ~~イ!!』 春馬『…え?』 隣にいた咲がそう言いながら、まるで洗脳されたように猫に近づく。 しかも咲の目が異様にキラキラ輝いていた。 突然のテンションの暴走に、ややドン引く俺。 咲『見てこの子、肉球ピンク!かわいいなぁ〜!』 春馬『キャラ変わった?君キャラ変わった?』 この子の周りだけなんか空間が違う気がするのは気のせい? 春馬『……猫好き?』 俺がそう尋ねると咲は頷いた。 まぁだろうね、すげぇ反応だったからな。 普通の奴は猫見つけたぐらいであんなに喚かねぇよ。 咲の意外な一面、ってやつなんかね。 これはこれで可愛らしいからいいと思うが。 咲『…はぁ……カワイイ…』 目を輝かせる咲は、なんというか……可愛い。 改めて、コイツってほんと容姿のレベル高いんだなぁと思い知らされる。 普段の態度がもう少し暖かければなぁ…。
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