23157人が本棚に入れています
本棚に追加
/398ページ
由紀『そーいえばさぁ』
ある日の通学路。
当然のように由紀と合流した俺たちは、仲良く三人で歩いていた。
由紀『いっつもハル君と咲って一緒に通学してるよね?なんで?』
春馬『なんでって、そりゃ俺たち一緒に住んでるし。』
今更なその質問に、ありのままを答える俺。
それを聞いた由紀は、能天気な表情をピシッと凍らせる。
由紀『…エロい関係でございましたか!?』
春馬『なんで!?』
咲『とりあえず説明させて由紀…』
朝っぱらから騒がしい、そんな一幕だった。
咲の淡々とした説明により、俺にまつわるアホみたいな事情を聞いた由紀はニヤリと笑って俺の脇腹をつつく。
由紀『ハル君、案外不良っ子だったんだねぇ!』
春馬『不良じゃねぇよ、家族公認の家出だよ。…家族公認の家出ってなんだよふざけてんのか。』
咲『ほんとふざけるのは存在だけにしなよ。』
そのツッコミ酷くない?
不良、かぁ。まぁ家出って聞いたらそういうイメージになるんかなぁ。
春馬『つーか不良だったら学校とか行かねぇだろイメージ的に。つまり俺は不良じゃない。』
俺は学校という自分が初体験することばかりな空間が大好きで行ってるんだ。
いや、割とすでに学校うっぜぇと思い始めてきてはいるけど、まだワクワク感持って登校してるからセーフだ。
春馬『不良っつーのは大雅みたいなあぁいうファンキーな野郎のことだろ。俺みたいなファンシー野郎とはかけ離れたーー』
由紀『お!噂をすればトラだ!』
俺の言葉を遮るように由紀は道の向こうを指差す。
そこは学校の校門だ。
そして何故か、その校門周りにはうちの生徒の人だかりが。
その人だかりの中心には……まさに話題にあった大雅と、まさに話題にあった不良感満載の男が二人。
春馬『……なにあれ?』
咲『他校の生徒と喧嘩する直前みたいな空気だね…』
えぇ、アイツまじでそんな不良みたいなことしてんの?
恥ずかしくないの?恥ずかしくなさそうだなアイツのキャラ的に。
睨み合う大雅と不良たちだが、痺れをきらした不良の片方、不良Aさんが大雅へズイッとメンチを切って近付く。
不良A『テメェが邪魔したせいでナンパに失敗したじゃねぇかよ、責任とれんのかぁ!?』
大雅『んな潰れた饅頭みたいはツラしてる奴がウチの生徒をナンパするたぁ身の程を知れっつう話なんだよ。』
凄い、大雅が静かだ!!静かに怒ってる!!なんか怖いと感じたけどアイツに恐怖を覚えるのは悔しいからアホ面の大雅を思い出しとこう!
しかも不良との喧嘩の理由がナンパから救う為だった的ないい奴の喧嘩理由だ!なんか悔しい!
最初のコメントを投稿しよう!