能ある鷹は爪を隠す

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春馬『…強さ番付がみるみるうちに更新していった一瞬だったな。』 咲『まぁ、立花先生はあぁ見えて武闘派らしいからね…』 なんだこの学校。 それから時は経ち、その日の放課後。 俺たちはほとんど無理矢理大雅に連行され、部室でゴロゴロとしていた。 大雅『立花の野郎、あの借りは絶対返してやる…!』 春馬『すっげぇ負けフラグ立てんの上手いのな大雅君。』 というかまだ朝のこと気にしてるのかよ。 そうやって部室でゴロゴロしていると、この部屋をノックする音が転がってきた。 咲『あ、はーいどうぞー。』 ドアの近くに座っていた咲が立ち上がり部屋のドアを開ける。 と、そこから立花先生が現れた。 大雅『あぁ!?何しに来やがったテメェ!?』 春馬『あんな瞬殺されといてまだケンカ腰でいけるお前を尊敬するわ。』 迫る大雅は無視するように、立花先生は眼鏡をくいっとさせる。 立花『お前らは何でも屋のようなことをしてるんだろ?だから頼み事をしにきた。』 春馬『頼み事?先生が?』 そりゃまたどういう風の吹き回しなんだろう。 まぁ大雅曰く、この意味不明な部活の存続は立花先生が握ってるらしいから聞くしかないけど。 立花『次の体育祭での学年対抗競技なんだが、参加者が足りんのだ。残り三人、お前たちで埋めてくれ。』 春馬『……体育祭……?』 ……お祭り? 首を傾げる俺をよそに、立花先生はプリントを一枚手渡す。 立花『そういうことだ、よろしく頼むぞ。』 それから、立花先生は用事は終わりと言わんばかりにそのまま立ち去ってしまう。 由紀『そっかー、体育祭もうすぐだねぇ。学年対抗の競技は誰も出たがらないし、まぁ一肌脱いじゃいますか!』 咲『私は運動苦手だからパス。由紀とハルとトラに任せるね。』 大雅『立花の頼みってのは気にくわねぇが、それくらいなら別に安いもんだな!』 各々感想を述べている中、俺一人首を傾げ続ける。 春馬『……体育祭ってなんですか?』 咲『……体育をするお祭り、かな。』 春馬『あぁ、なるほど。』 咲の目がすっげぇ冷たい。 俺そんな変なこと聞いたの?
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