能ある鷹は爪を隠す

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大雅は立花先生が残していったプリントに目を通して、「げ」と嫌な顔をする。 大雅『長距離リレーとか書いてんぞこれ……』 由紀『ふむふむ、第一走者が200m、第二走者が400m、第三走者は…1200m!?』 同じようにプリントを目にした由紀までもが「げげっ」と嫌な顔を。 春馬『1200mってどれくらいやべぇの?ナッパくらい?』 大雅『いやフリーザくらい。』 マジかよやべぇなそれ。 俺絶対第三走者にはならないよ。 由紀『ハル君運動神経よさそうだよね!イケメンだし!』 春馬『いや重度の引きこもりだったから軽いジョギングでコヒューコヒュー言うよ?』 1200mも走った日には数秒毎にゲロ吐き散らかすよ? 由紀はそれを聞いて意外そうな顔をする。 由紀『え!?引きこもりだったの!?イケメンなのに!?運動神経悪いの!?イケメンなのに!?イケメン詐欺!?』 春馬『モラルとかその辺無視してグーで殴るぞグーで。』 あんま気にしたことなかったのにめっちゃ恥ずかしくなってきたじゃねぇかよチキショー。 大雅『うし、じゃあハルが第一走者で俺が第二走者、チビが第三走者な!』 由紀『えぇ!?トラが第三走者じゃないの!?』 大雅『うるせぇ一番強ぇ奴が第二走者って決まってんだよ文句あるか頼むから1200m走って下さいお願い!!』 横暴からの何そのへり下り方!! 由紀『一番強い奴が第二走者なら私が第二走者で問題ないじゃん!!私トラより強いし!!』 大雅『冗談は身長だけにしとけやチビがぁ!!俺が世界で一番強いのは確定なんだよ!!』 春馬『仮にそうだとしても世界一の座は立花先生に奪われてたぞ今朝。』 俺らのアホみたいなやり取りに、咲はやれやれとため息を吐いていた。 テメェ関係ねぇ話だからって大人の余裕かましやがって!! 由紀『じゃあ勝負する?』 大雅『上等だ表出ろやコラァ!!』 春馬『よく考えたら俺200mでもゲロ吐き散らかす気がするから咲交替しません?』 咲『絶対嫌。』 しっちゃかめっちゃかになっていた我が部室なのだった。
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