能ある鷹は爪を隠す

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由紀『トラすごいね!ほんとにカッコイイじゃん!あんな体力あったなんて!』 春馬『いや、あれは無い体力を無理矢理絞った感じだったぞ。』 ほっといたら死にそうなくらいやべぇ呼吸してたよ。 由紀『いや、そういうガッツも含めてカッコイイって話だよ!』 春馬『あぁ、まぁ、確かになぁ。』 そういう部分は、あいつの凄いところなんだろうな。 根性系って、俺とは真逆だしなぁ。 由紀『トラって学校サボるし、なんでも暴力で解決しようとするし、正直心の分野では弱いんだろうなぁって思ってたんだぁ私。』 春馬『え?そうか?』 俺的には見た目そのままのメンタル屈強系に見えたけど。 でも由紀的には違ったらしく、だからコイツは感心したように笑ってるんだろう。 由紀『これが脳ある鷹はなんとやらってやつなのかね!』 春馬『………。』 …脳ある鷹は爪を隠す。 いや、それはお前のことだろ、と、心の中でツッコむだけで口にはしないでおいたのだった。 友達のことを少しだけよく知れた、そんな日々だった。
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