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昼休み。
俺と大雅は食堂で昼食をパクついていた。
大雅『あぁそういや、ぼちぼち文化祭だなぁ。』
春馬『文化祭?祭?文化する祭?なにそれ?』
うどんを啜る食事中、ふと思い出したように大雅がそれを口にする。
文化祭とかまた聞いたことないワードに首を傾げる俺。
体育祭が体育する祭だったから、文化祭は文化する祭ってことなんだろうが、文化する祭ってなんだよ日本語不自由か。
大雅『ハルって時々マジで頭悪ぃよなぁ!!あっははは!!』
春馬『オメェにだけは言われたくない本気でキレそう。』
世間知らずなだけでバカではない!!いやテストの点悪かったからバカなのか!!ちくしょう!!
その後、大雅に文化祭について説明してもらったのだった。
春馬『へぇー、楽しそうだなぁ。で、いつなのその文化祭って。』
大雅『もう再来週くらいじゃねぇか?』
あれ、じゃあもうすぐじゃん。
俺らのクラス別になんもそういう話ないけど大丈夫なの?
大雅『なんかこの学校、一年はなんも出し物しねぇんだとよ。最初の一年は他の学年の出し物を楽しめって感じらしいわ。』
春馬『お、じゃあなんもやらなくていいのか。最高だな。』
何の努力もせずに他人のホスピタリティのみを享受できるなんて最高の祭じゃねぇか。
大雅『いやぁ出し物してぇだろ!!たこ焼きの屋台とか、メイド喫茶とかさぁ!!』
春馬『……メイド、喫茶…?』
大雅の口から気味の悪いワードが出て眉を顰める俺。
メイドが喫茶すんの?
なにそれ、メイドさんがお茶淹れるの?
俺ん家のメイドさん皆そういうことしてくれてたけど、つまり俺ん家はメイド喫茶だったわけ?
え、メイド喫茶ってなに?
大雅『メイド喫茶も知らねぇのかハル!?それは男として人生の7割を損してるぞ!!』
春馬『マジ!?俺残りの3割でしか人生楽しんでなかったの!?え、ぜひ教えてくれない!?』
マジかよ俺の失われた7割の人生を取り返さなきゃ!!
『よぉし、それはお兄さんから教えてやろう!!』
アホみたいに盛り上がる俺たちのテーブルに、知らない声も加わった。
その声の主は、大雅の隣の椅子にドカッと座って、人当たり良さそうにニコニコと笑う。
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