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大雅『うおっ!?蓮寺さんじゃねっすか!』
大雅はその人を蓮寺さんと呼び、そう呼ばれたその人は相変わらずニコニコと笑う。
……嘘くせぇ笑顔だな。
その人ーー蓮寺さんは、見た感じ男なんだが…綺麗な肌とスラッとしたスタイルで、小顔も相まって凄く中性的。
いわゆる、美青年、って感じ。
髪も女みたいに長い、んだけど、それを頭で大きく括ってポニーテールにしてるおかげで妙に男らしいイケメンな容姿にさせている。
蓮寺『でさ!お前が噂の春馬君?』
美青年の蓮寺さんは、その嘘くさい笑顔を俺に向ける。
春馬『噂が何か知らないですけど、俺が春馬です。』
蓮寺『やぁっぱり!優が言ってた通りイケメンだなぁ!』
優、という名前が出てきて少し思考。
あ、優先輩か。
優先輩……ん?この感じからしてもしかしてこの蓮寺って人、優先輩と同じく俺らの年上の先輩か!
蓮寺『で!咲ちゃんと付き合ってんの?』
春馬『……はい?いや、付き合ってないですけど……?』
突然訳分からん質問されたもんだから、素っ気ない返事をしてしまった。
蓮寺さんはそれを聞いて、その嘘くさい笑顔をひっこめる。
それから、つまんなそーに大きな大きなため息を吐いたのだった。
蓮寺『んだよ、あの荊姫をオトしたって話はガセか……』
春馬『大雅君、この人はなんなの?なんで出会って数瞬で俺失望感だされてんの?』
大雅『この人は日下部 蓮寺先輩だよ!俺らの一個上で頭おかしいチャラ男だ!』
頭おかしいチャラ男って何ですか。
大雅に紹介された頭おかしいチャラ男さんは、腕を組んでフフンと何故かいばる。
蓮寺『チャラ男は褒め言葉だぜぇ大雅ぁ!世の女の子を好き放題してる男って意味なんだからなぁ!』
春馬『チャラ男の意味は分からんけど頭おかしいの意味は分かったわ。』
少なくともいばる内容ではねぇよ。
蓮寺『一年で噂になってるらしいぜぇお前!咲ちゃんと仲良い男がいるってな!』
春馬『それ噂になるような話ですか?アイツそんな友達いないんですか?』
咲は交友関係広いと思うけどなぁ。クラスメイトともよく楽しそうに喋ってるし。
それに対して蓮寺先輩は、チッチッと指を振る。
蓮寺『男と仲良くしてるのが珍しい、って話だよ!珍しいっつーか、俺が知る限りじゃ初じゃね?』
春馬『えぇ…でも大雅だって仲良さそうにしてますよ?』
蓮寺『コイツは馬鹿だから例外。』
あぁなるほど、馬鹿はノーカンね。
でも咲って、そういうキャラだったの?
男とは仲良くしてなかったの?
そんな冷たい感じには見えな……
……よく考えたら俺に対してもそこそこの割合で冷たいからそんなに意外でもなかったわ。
蓮寺『まぁつーわけで、よろしくな春馬!お前面白そうだし今後もよろしく頼むよ!』
春馬『あ、そりゃこちらこそよろしくお願いします。』
今更だけどペコリと挨拶を交わす。
蓮寺先輩、美青年の美しい系のくせにチャラチャラしてる、けど割と喋りやすい。
春馬『ん?てか咲ってそんな有名なんですか?なんで?』
首を傾げると、蓮寺先輩は目を細めて呆れ顔をする。
蓮寺『お前マジで言ってる?あの可愛さを間近で見過ぎで麻痺ったか?有名になるには十分な可愛さだろ?』
春馬『あぁ、そういう。』
まぁ確かに、俺も初対面の時は思わず恋に落ちそうになるくらいには衝撃を受ける可愛さだったしなぁ。
…しかし、こう関わってくるとあのトゲトゲしい性格のせいで麻痺ってきてるってのは間違いないな。
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