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いい加減、前を歩いていた二人もこちらを振り返ってきた。
麗奈『あ!レン!見つけた!!』
蓮寺『見つけたのは俺だ。ミスコンの実行委員がお前探してたぞ、行ってやれ。』
春馬『ミスコン?なにそれ?』
ここ最近聞いたことないワードばっか出てきて脳みそ混乱するわ。
俺の問いに、蓮寺先輩はつまんなそーな顔をする。
蓮寺『ミス青稜っつううちの学校で一番の美女を決めるコンテストが文化祭で開催されるんだが、どうせ優勝は麗奈で決まってるから出来レース過ぎて全然面白くねぇんだよなぁ。』
麗奈『なんでよ!そんなこと言って私じゃなかったら恥ずかしいでしょ!?』
春馬『いやぁそういうことなら麗奈さん一択でしょ美人だし。』
麗奈『ありがと!』
賞賛にも謙遜せず礼を言う辺りほんと好感度高いわぁマジで気ぃぬいたら惚れてまうわ。
というかその実行委員に呼ばれてんならほぼ間違いなく麗奈さん当確じゃん。
その後、麗奈さんは別れを告げてからその実行委員のもとへと行ってしまった。
残された俺と咲と蓮寺先輩。
蓮寺『んじゃ俺もナンパ再開するわ!』
春馬『成功してるんですか?』
蓮寺『おうもう5人連絡先聞き出した!あと20人は聞き出すぞ!』
すっげそのガッツ分けてほしい。
その後チャラ男もこの場を去り、咲と俺のみ。
春馬『…咲ってさ、告白とかされたことあんの?』
咲『何、突然?』
なんとなく、さっきの話聞いて気になった。
本当になんとなく。
咲『…まぁ、あるけど。』
春馬『ほーん。なんで付き合わねぇの?』
すっげぇジト目で睨まれた。何故だ!
咲『ハルは、ろくに自分のこと知らない人から告白されて嬉しい?』
春馬『……やや恐怖だな。』
咲『でしょ。そういうこと。』
なるほど、このトゲは強靭だ。
その後、お化け屋敷から帰ってきた大雅と由紀と合流。
二人とも恐怖にガクガクしてたとこ見るに、とんでもないお化け屋敷だったんだろう。
それから、そのミスコンとやらの発表が体育館で行われた。
まぁ当然というか、その壇上に立っていたのは麗奈さん。
マイクを持って、恥ずかしそうにはにかみながらスピーチをするその姿すら美しい。
大雅『声すら美しいな!浴びてぇなあの声!』
春馬『きもーい。』
と言いつつ、分かる。
人間味が溢れる美女って、あんなにも完璧なんだなぁ。
…初恋喰い、か。
マジで喰われかねんな俺の初恋。
大事に守るから安心しろ俺の初恋。
出かける時は門限設けて逐一連絡はとるから安心して過保護に身を任せろ俺の初恋。
いつになるか分からんその時まで。
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