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文化祭も終わった秋のある日。
我らの部室に、一人の依頼者が訪れていた。
黒い長髪が顔を覆って、なんかホラーな雰囲気出してる女性。
この貞子みてぇな雰囲気出してる人が、今回の依頼者。
大雅『で?相談ってのは?』
ふんぞりかえってる大雅が尋ねると、その貞子(仮)は徐に懐から小さな猫のぬいぐるみを取り出す。
咲『あ、猫のぬいぐるみ…かわいい…』
猫好きな咲が反応したけど、なんかこの猫のぬいぐるみ妙に薄汚れてて怖い。
貞子『…このぬいぐるみに、悪霊が取り憑いてるんです…』
春馬『えっどうした突然ジャンル変わるじゃん怖い怖い怖い。』
うちそういうのじゃないから、もっとアホみたいなしょーもない話しか取り扱わないからやめて。
由紀『え!?悪霊ってなに!?』
貞子『このぬいぐるみに閉じ込めてあって、それがもうすぐ溢れ出てしまうんです…』
春馬『いや意味分からん意味分からん。』
どういう世界観?
日常生活で悪霊とかそのままの意味で中々口にせんからリアクション困るわ。
貞子『でもその悪霊は今日一日で消えるので…その間だけ、この悪霊が悪さしないように誰かの身体に無理矢理押し込めたいんです…』
春馬『なにそれこわい。』
要するに悪霊に呪われて下さいってお話ですか?もっと霊能力者的な人に頼むべき案件じゃない?こわない?
春馬『てか今日一日で消えるって何?なんで?』
貞子『寿命です…』
春馬『寿命ぉぉぉ!?じゅ、寿命ぉぉぉ!?』
寿命あんの!?悪霊に!?え!?どこの世界の話!?あれ!?俺が世間知らずだからとかそういう話じゃないよね!?
ふざけんのも大概にしろよぉぉ!!
大雅『今日一日で消えるならこのままぬいぐるみに入れときゃいいんじゃね?』
貞子『それだと…悪霊が逃げて誰かに迷惑がかかる可能性が…』
春馬『俺らへの迷惑は!?事前の説明あればいいだろ的なやつ!?』
なめんじゃねぇよ説明されてもなんも理解できてねぇよ処理が追い付かなくて頭痛いわ!!
由紀『しゃーない、じゃあここはトラに人肌脱いでもらいますか!』
大雅『まぁ別に構わねぇぜ!!かかってこいや!!』
貞子『あ…この人は悪霊が入りたがってないからダメです…』
大雅『悪霊に振られるとかあんのかぁぁぁ!?』
哀れ大雅、悪霊にも拒絶されたらしい。
可哀想に。いやこの場合はラッキーなのか。
由紀『えーでも私は嫌だよ!咲は?』
咲『絶対嫌二度とこの話題で私の名前出さないで。』
春馬『あれ本気で拒絶してるぞ。強行しようもんならブッ殺されそうだぞ。』
幽霊苦手系の咲を選抜したら悪霊抜きにして死人が出そうだからやめたげよう。
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