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春馬『うわっ、すまん!』
由紀『いや、イケメンに手握られて私は嬉しいんだけどさ…』
ポッと頬を染める由紀。
それを見て何やこいつと思いながらも急いで手を離そうとする俺。
…が、離れない。
何故か、由紀の手を握る俺の指がピクリとも動かない。動かせない。
春馬『ちょっ、ちょっと待って!動かないんですけど左手!?離さないんですけど!?』
由紀『いやん、もっと握っていたいなら素直にそう言えばいいのにハル君…♪』
そうじゃねぇよ俺の焦り具合みて察しろや引っ叩くぞ!!
怖くなって空いてる右手を使って無理矢理引っ剥がそうとした。
が、今度はその右手が勝手に動いて、隣で座る由紀をドンっと押し倒した。
由紀『あっ…あのっ、ハル君、流石にこれは…』
ちびっ子を押し倒してる男の図。
これはマジで洒落にならん。死ぬ社会的に。
大雅『お、落ち着けハル!?とりあえず愛の巣にするなら保健室のベッドの方がいいぞ!?』
春馬『いや俺が勝手に操られてる感流石に察して!?もう何か異常起きてる事察して!?』
大雅が俺を無理矢理引き剥がしてくれたおかげで、俺の体は自由になった。
由紀はソファに倒れたまま頬を染めている。
大雅は俺に対して驚愕の目を向けている。
咲は極寒の眼差しを向けている。
咲『…死ねば?』
春馬『…まず俺の話聞いて?』
あんまそう言う事口にしないでねほんとに傷付くからね?
悪霊のせいで身体が言うことを聞かなくなった。
ということで、さっき去ったばかりの貞子さんをもう一度この部室へ呼び戻す。
貞子『…思ってたより悪霊の力が強いのかも…』
その言葉を聞いてゲッソリする俺。
春馬『ちなみにどんな悪霊なのこれ。』
貞子『女と見れば手当たり次第に手を出そうとする女好きの悪霊…』
春馬『どんな悪霊!?』
おかげでホラー感はなくなったわありがとう!!ってやかましいわ!!
貞子『本人の意志を強く持てば抑えられるはずだから、頑張って下さい…』
春馬『ほぼ投げやりじゃねぇか!!』
由紀『なぁんだ、あの求愛は悪霊の意志だったのか残念…』
あたりめぇだろブッ飛ばすぞ!!
またも貞子さんは去り、残された俺たち。
気のせいか、さっきより皆が俺と距離をおいている。
春馬『…人を性犯罪者みたいな目で見るな!!』
大雅『いやでも正直引いたぜ?ドン引きだったぜ?』
由紀『ハル君ならいいけど、悪霊に襲われるのは流石にやだよぉ。』
うるせぇ俺に気を使えテメェら泣くぞ!!
あと咲さんさっきからゴミ見るみたいな目向けるのやめてそれが一番泣きそうになる!!
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