呪いってマジ怖い

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その後は、俺が意志を強く持ったからなのか特に何も起こる事なく夕方に。 俺らは帰路についていた。 咲『………。』 春馬『…なぁ咲、頼むから会話しようよぉ。』 俺と咲の二人になってしまったので、会話がなくなり気まずくなる。 先ずは気さくに距離を縮めよう! そう思って、俺は距離を空けて歩く咲へと駆け寄り肩を叩いた。 …つもりだったのに、その手は何故か咲の尻を触っていた。 あ、悪霊の仕業だ。 そう気付いたと同時に、俺の体は咲の平手打ちによって吹き飛んだのだった。 咲『…………オイ。』 春馬『こわいこわいこわいキャラ変わってるこわいよ咲さん!?』 なんかバリバリ武闘派の超恐女子オーラになってんだけど!? いや悪いのは俺だけども俺と言うか悪霊だけども!! 春馬『俺じゃなくて悪霊!!いやほんとに!!』 咲『それでいいの?遺言。』 あっ殺されるわ俺!! 平謝りして土下座までして、ようやく咲は俺の殺害を思いとどまってくれた。 そのかわり、咲とは10mは絶対に距離を置くことを約束させられた。 春馬『……なぁ、ごめんて。』 咲『………。』 ツーンとして先を歩くその背中を恨めしそうに眺める。 …………。 …なんか目線が自然と咲のケツに注がれてんな。これも悪霊の仕業か? まぁさっきスカート越しでもあのお尻に触れたわけだから、多少俺も意識してんのかも。 いやでも見てるのバレたら怒られるしやめとけやめとけ。 しかし10mも距離あるんだからケツくらい眺めてもバレないバレない大丈夫大丈夫。 いやしかし小さい尻なのに中々どうして柔らかかっーー 春馬『ーーゲボェ!?』 突然、前方から鞄が飛んできてそれに直撃する俺。 どうやら咲が投げてきた鞄のようだ。 咲『さっきから私のお尻ばっか見てるでしょ!?』 春馬『なんで分かるの!?エスパー!?こわっ!?』 こいつの方がよっぽどホラーじゃねぇかよぉぉぉ!! その後、言うまでもなく咲は俺と会話を交わしてくれなかった。 そのまま家に帰宅し、咲は無言で晩ご飯の準備を進めている。 俺は正座してそれを見守っている。 なんだこの光景。 痺れを切らして、せめて何かお手伝いして咲からの好感度を回復させようと立ち上がる。 春馬『咲!俺も何か手伝うーー』 咲『座ってて邪魔。』 辛辣ぅ。 料理する咲の後ろをオロオロとウロウロする俺。 まぁ確実に鬱陶しいだろう。 …仕方ない、大人しく待つか。 そう思って帰ろうとしたのだが、その帰り際に俺の右手は咲の尻を撫でる。 …あっ、油断してたわ。 悪霊への注意を怠っていたことを反省するより先に、俺の後頭部へフライパンが叩き込まれたのだった。 春馬『痛い痛い死ぬ死ぬほんと死ぬ痛さなんですけど!?殺す気ですか!?』 咲『そのつもりだけど?』 やだこわいこの子!! 春馬『悪霊のせい!!ごめんほんとごめん悪いのは悪霊ぉ!!』 咲『……そうね、たしかに悪いのは悪霊ね。』 意外にも物分かりよく落ち着く咲。 ホッと胸を撫で下ろしていると、咲が包丁を取り出して近寄ってくる。 咲『右手切り落とすだけで許してあげる。』 春馬『どうあがいても死ねと!?』 何この子今日マジでこわいんですけど!?
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