呪いってマジ怖い

6/8
前へ
/398ページ
次へ
その後、俺と咲に悲報が舞い降りる。 パピィの帰りが遅くなるとの連絡が入ったのだ。 しかも家に帰るのは日を越えるらしい。 咲『私はお風呂入るけど、絶っっっっ対に部屋から出ないでよ。』 春馬『はい絶対に部屋から出ません…』 俺の奇行を抑える為として、自分の部屋から出ないという策を用意された。 まぁ部屋から出なければそうそう変なこと出来ないし。 ちなみに今日俺は外の銭湯へ風呂に行くことを禁じられた。 理由は、「今のハルだと女湯に入りかねない」からとのこと。 つーわけで俺の風呂は明日の朝、朝風呂で済ませろという横暴に。いやいいんだけど。 春馬『……寝ちまうか。』 部屋で一人いても何もすることねぇし、もうとっとと寝てしまおう。 そう思い、俺はベッドへ身を預けて瞼を閉じたのだった。 …胸苦しさから目を覚ます。 辺りは真っ暗で、結構な時間が経ったんだろう。 壁の時計を見ると、時刻はもうすぐ0時になる頃。 あぁ、もうちょっとでこの悪霊ともおさらばだ。 そう思って安心したのも束の間ーー 春馬『ーーッ!?』 急激に、胸の奥で激痛が走った。 その痛みで思わずベッドから転がり落ちる俺。 春馬『なっ…なにこれ…!?気持ち、悪ぃ…!!』 胸の中で、何かがグルグルと渦巻くような違和感。 痛みと、吐き気がそこから溢れてくる。 床の上をゴロゴロと転がるようにのたうち周る。 咲『ちょっと、どうしたのハル!?』 俺がそんな大きな物音立てまくってたからか、ドアの向こうから咲の声が響いてきた。 割と本気で心配してくれてるような声。 すぐ助けに入ってもらおう、と思ったけど、よく考えたらこの異変が悪霊によるものだったら……咲がくるのはまずい気がする。 春馬『だっ…大丈夫…!ちょっと、ベッドから落ちて頭打っただけ…!!』 咲『……本当?なんかそれにしては苦しそうな声だけど……』 あと数分耐えれば終わりなんだ。 最後の最後に咲にまた変なことして嫌われるのはごめんだ。 今日だけで散々咲に嫌われてまくってしまったんだ、もうこれ以上は…!! 咲『……今日、さ……』 苦しみに悶える俺をよそに、ドアの向こうで咲が語りかける。 咲『……ハルだって辛かっただろうに、私、散々酷いことしたり言ったりしちゃったと思う。』 しおらしく、可愛らしい声を出してる咲。 不思議と、その声は俺の苦しみを和らげた。 ……あれ?なんでだ? よく分からんが、俺の中の悪霊が咲の声を聞こうと耳を澄ませてるように感じた。 咲『……だから……ゴメンね。』 ……いちいち律儀だなぁ、コイツは。 んなもん、どっちが悪いって言ったら俺が悪いに決まってんのに。 こういうところが、変に優しいんだよな。 春馬『……いや、別に謝ってもらわなくてもーー』 突然、俺の身体が固まった。 それから、俺の意志とは関係なく床から立ち上がる。 ……あ、あれ?身体が言う事聞かない…? そのまま俺の身体はドアノブを掴み、ドアを開く。 そこから現れた咲は、キョトンとして俺を見てる。 春馬『咲、やばい気がする!!』 咲『…え?』 今更そんなこと言ったところで既に手遅れで、俺の身体は咲の手首を掴む。 そのまま咲の腕を引き寄せて、そのまま咲を抱きしめる形になってしまった。 咲『ちょっ、ちょっと!?何してんのハル!?』 春馬『俺じゃないの身体が動かないのめっちゃ恐ぇの!!』 あとちょっとってところなのに結局咲に手ぇ出しちゃったよ絶対あとでブッ殺されるよぉぉ!!
/398ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23159人が本棚に入れています
本棚に追加