いつもの日常?~包囲網悪化~

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「……? ーーーッ!?」 考えること数秒。 俺の部屋の中で森羅の息を呑む気配が濃厚に伝わってきた。 どうやら森羅は俺がそんな恥ずかしい台詞を朝から吐き出すと思っていなかったらしい。 「キスしてくれなきゃ俺は遅刻かぁ……はぁ、遅刻しちゃうのかぁ~」 「……(おろおろ)」 もう完全に目は冴えているのだからキスする必要なんて端から見ればないのだが、慌てまくっている森羅にはそのことに気付く余裕はないらしい。 ふむ、我ながら今回ばかりは鬼畜だな。 だが、朝から恋人にされる口付けにはそれだけの価値があるのだよ! 心の中で自分自身の発言に喝采を送る俺はだいぶ末期かもしれない。 「……わかった。 恥ずかしいけど……パパの為なら頑張るよ……!」 「おう、頑張ってくれたま……え?」 森羅が決意してくれたと喜んでいたところで、俺は声の主に違和感を覚えた。 ……あれ? 森羅は俺をパパなんて呼ばないよな? むしろ、俺をパパ呼ばわりするのは…… 一瞬で冷や汗が全身から吹き出し、俺は瞼を開けて予想通りの展開に絶望した。 そこに居たのは金色の髪にシャギーの入ったショートカットの西洋のお人形……にそっくりな異国な少女。 本来はアメジストのように青く澄んだ瞳も拝見できるのだが、今日の彼女からは拝むことが出来ない。
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