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俺はアリスの純粋な強さに心打たれ、誘われるかのように彼女の頭に手を伸ばした。
ポムッ、ナデナデ……
「……パパ、どうしたの?」
「いや、お前に好かれた俺は幸せなんだなって思ってさ……ありがとうな」
多くの感謝を込めて。
小さな少女がくれた小さな小さな……恋心に出会えたことの喜びを伝えたい。
だから、俺は優しくアリスの頭を撫でることで……人の温もりで応えた。
「ねぇ、ジュンヤパパ……気になったんだけど……僕、ジュンヤパパのこと……ねぇ様みたいに大好きなのかな?」
「……はい?」
ちょっと待て。
まさかと思うが……気付いてないのか!?
「ぷっ、あははは♪」
一気に全身から力が抜け、笑いがこみ上げてくる。
アリスはそんな俺を心底不思議そうに青い瞳をパチクリしながら眺めている。
どうやらこの子猫は本当の意味での……いや、唯一無二の『好き』という感情をまだ知らないらしい。
「俺にはそれを教えてあげられないよ。 でも、少なくともアリスの『好き』より森羅の『好き』は……ずっと優しくて、暖かくて……そして、何よりも俺を大切に思ってくれてるよ」
「うん……僕にも……それはよくわかるよ……きっとねぇ様の好きは誰にも負けないと思う」
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