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ギュッとアリスは俺の腰に抱きつき、朗らかに顔を緩ませて日向で眠る子猫のような表情を浮かべる。
「ねぇ様は本当に素敵……僕、ねぇ様の『好き』を見習いたいよ……もっともっとジュンヤパパを好きになりたい……」
「ふふ、あいつの『好き』は手強いから難しいぜ。 でも、アリスならいつの日か……森羅より輝ける日が来るよ」
「……うん」
穏やかで微かに眩しい朝日に俺は目を細める。
たまには……こんな優しい朝があってもいいのかな?
ガチャッ!
「純也ぁ~愛しの恋人が朝をお伝えする……の……だ?」
「しっ、森羅!?」
部屋に飛び入り参加したのは俺の恋人様。
森羅は満面の笑顔のまま硬直して、俺とアリスを交互に見比べている。
「ごっ、誤解だ森羅! 森羅が思っているようないかがわしい事はしてないぞ!」
腰に女の子が抱きついている様を見れば、いかがわしい事をしているかのようにしか見えないだろう。
だが、今の俺にはそんな事を考えている余裕はない。
「……」
ガチャンッ。
森羅は笑顔を崩さずに無言のまま部屋を出ていってしまった。
そして、ドタドタドタッと階段を駆け降りる音が響く。
うわぁ~非常に嫌な予感がするぜ。
ズドドドドッ!!
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