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「くぅ~ん、だって……私もちゃんとキスしたかったのだ♪」
ぐはっ!?
神様、森羅は完璧過ぎます!
あなた様は俺をキュン死にさせたいのですか!?
森羅は俺の胸元に頬を擦りつけて、幸せそうに口元を綻ばせている。
そんなお嬢様を前にしたら通学路であろうが、もっと二人でイチャつきたくなってしまう。
「しっ、森羅!」
「だっ、駄目なのだ!」
「どっ、どうしてだよ?」
ギュッと小さな体を抱きしめようとしたのだが、獣の俊敏さで森羅は俺から離れてしまった。
正直おあずけをされた気分で凹んでしまう。
「ちっ、違うのだ! そっ、その……朝からキスばかりしたら……純也が飽きてしまわないのか心配なのだ……だから、少しばかり時間を、ぬぁ!?」
「逆効果だバカ。 森羅とのキスが飽きる? けっ、例え数万回しても飽きない自信があるぜ!」
森羅を抱きとめながら俺は本心からの言葉を告げる。
恋愛初心者であり、恋人関係も不慣れな俺だが、森羅とのキスに飽きがくるなんて微塵も考えられない。
「でっ、でも……今は控えるのだ! 周りに人が多すぎるのだ!」
「あっ」
いつの間にか道端で抱き合う俺たちを取り囲むように人だかりが発生してしまっていた。
しかも、さりげなく近所の噂好きのオバサンたちまでいる始末だ。
『あらあら奥さん、純也ちゃんったら森羅ちゃんとやっとゴールしたみたいよ』
『でも、妹さんはどうするのかしら? 近親相姦なんでしょう?』
『実は妹さんをペットにして、森羅ちゃんも交えて楽しむらしいわよ』
『『『怖いわねぇ~』』』
……あんたらが怖いわ!!
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