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誰よりも男らしい、ドスのきいた怒鳴り声が静かな朝の空気を引き裂き、あたりに響きわたる。
う~ん、なんというか……あの人もすげぇよな。
「おぅ、純也じゃねぇか! おはようさん!」
「おはようございます渚さん。 朝からお勤めご苦労様です」
赤毛の背中まであるポニーテールにモデルを思わせる高い身長。
そして胸や腰、お尻に至っては直視するだけで鼻血が吹き出してしまうようなダイナマイトボディの持ち主が、我らが生徒会長の狭間渚さんだ。
ちなみに今日の彼女は『風紀命!』の鉢巻を頭に巻き、男子学生の襟首を掴みながら片手で持ち上げている。
「うむ、純也も片手と言わず、小指で男を持ち上げるくらいは、」
「しつこい!」
ズドンッ!
「みぎゃぁ!?」
森羅の脳天にチョップを叩き込むと渚さんは苦笑しながら、男を投げ捨てて俺に向き合った。
「さて、悪いが純也の荷物検査もさせてもらうぜ!」
「別に構いませんけど……弁当以外は入ってませんよ?」
「はぁ、お前はもう少し勉強に力を入れろ、バカたれ」
「ーーーッ!?」
ゴスッと荷物検査の結果が書かれているであろう紙が挟まっているバインダーの角で額を叩かれた。
あまりの痛みに俺は地面をのたうち回った。
その瞬間渚さんの普段とは違う側面……『氷の生徒会長モード』にスイッチが入った。
ゲシッ!
「ぐはっ、あの、踏まないでくれませんか?」
ゲシゲシッ!
「ちょっ、渚さん!?」
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