いつもの日常?~包囲網悪化~

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「オラオラッ! こうされるのが気持ち良いんだろう!? はぁはぁはぁ……」 渚さんのクールで冷たい目は据わっており、口元からは恍惚の吐息を漏らしている。 俺は何度も渚さんから足蹴にされ、ボロ雑巾にされてしまう。 「ふぅふぅ……はっ!? すっ、すまねぇ純也! 何故かお前を踏みたくなっちまった……許してくれ!」 「ぐふっ、慣れましたから……大丈夫ですよ」 俺は渚さんに抱き起こされ、頭を何度も撫でられた。 額から冷や汗をかきながら慌てて俺の介抱をする渚さんは年上の先輩というより、弟を甘やかす姉みたいだ。 「ぬぅ~鼻の下が伸びておるぞ純也」 「ギクッ!? ボッ、ボくは~森羅さん一筋ですよ!」 ギラギラと絶食三日目に突入した百獣の王のような眼差しは止めてほしい。 「ちぇ、やっぱり純也は森羅一筋か……でっ、でも、私は諦めねぇからな!」 「ぬっ、朝から宣戦布告とは良い度胸なのだ!」 森羅と渚さんは俺を間に挟んだ状態で激しく火花を散らしている。 正直針のむしろというべきか、生きた心地がしない。 「おもしろい……なんなら、決着をつけるか?」 「ふふふ、たかが生徒会長に負けるほど霧島の名は軽くないのだ!」 ビューッと学校トップレベルの美貌を堪能していた野次馬たちが、森羅たちの周囲から一斉に離れる。 その判断は賢明だ。 なんせ森羅と渚さんからは闘気が火山のように吹き出しており、校門前は既に決戦場へと姿を変えている。
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