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「うむ、仲良きことは良いことなのだ!」
「仲良い……のか? 小百合さん、制服の下に手を突っ込んでるぞ」
「うっ、うむ……良いのではないか?」
森羅さん、疑問符になってますよ。
つ~か、最早痴漢だな。
「違いますよ~。 これは愛の営みですぅ~♪」
「何で心を読めるんだよ!?」
「うふふ、私と純也さんは心で繋がっているんですよ♪」
わぁ~お、嫌な絆だぜ。
出来ることなら叩き切りたい絆だな。
「あらあらぁ~仮に切れたら……てめぇも叩き切るぞガキ」
「申し訳ありません小百合様!」
ギロリッと小百合さんに睨まれた瞬間には既に俺は音速の土下座を披露していた。
我ながら土下座の速度では誰にも負けない気がする。
自慢にもならない土下座の完成度に涙が溢れそうになってしまう。
「まっ、まぁ、元気を出すのだ純也! それに早く教室に行かねば遅刻してしまうのだ」
俺はポケットに突っ込んでいた森羅とお揃いの携帯電話の時刻表示を確認して愕然とした。
「えっ、もうこんな時間かよ!? やっべぇ~急ぐぞ森羅!」
「うぬっ!」
俺たちは揃って校舎に向かって駆け出そうとしたのだが、急ブレーキをかけて立ち止まり、百合の世界に旅立っている二人組に向きなおった。
「渚さんたちも、いつまでもイチャイチャしてたら遅刻してしまいますよ?」
「非生産的な行為はほどほどにするのだぞ!」
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