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「う゛ぅ~純也さんと森羅さんのバカぁ~! きゃぁ、小百合さんも変なところ触らな……ひゃん!?」
「ぬふふ、お嬢ちゃん可愛いのう♪」
俺と森羅は変態に襲われている先輩に別れを告げ、予鈴が鳴る寸前の校舎へと飛び込んだ。
ちなみに後日渚さんから『おっ、お前に置いていかれたせいで私は……うぅ、純也のバカ野郎!?』という罵声と共に顔面にパンチを頂戴した。
……あのパンチならばヘビー級のボクサーだって楽勝だろう。
つ~か、よく生きていたな俺。
「おはよう、純也に森羅ちゃん! 二人とも付き合い始めたんだってぇ~?」
教室に入ると軽薄な笑みを浮かべて、無造作ヘアーの出来損ないの茶髪にピアスをつけたクラスメイトが声をかけてきた。
「ぬぅ~たかがクラスメイトAにも知れ渡っているとは……照れてしまうが嬉しいのだ♪」
「たかが!? クラスメイトA!?」
男は地面に崩れ落ちて涙を流した。
あまりにその背中が哀れだったので、俺は優しく肩を叩いた。
「うぅ……じゅ~ん~や……」
「まずは名前を名乗らないと駄目だぞ。 友達になるには名前を覚えてもらわないとな!」
「高村哲【たかむら、てつ】だよ!! 言っていることは格好いいけど、やっていることは最低ですよ!!」
そう言いながら哲は勢いよく立ち上がり、俺たちに食ってかかってきた。
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